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「明日、バイト休み?」
「はい。部活あるし」
「そっか」
「ごめんなさい。遅くなっちゃって」
「いいよ別に。まだ電車あるし」
「どうもです」
「襲われたりなんかしたら最悪だしな」
「大丈夫ですよ。可愛くないし」
「いや、可愛いいよ」
制服を着た少女は、彼の顔を見上げた。
彼は、線路の方を向いていた。
「か、可愛いくないですよ!てか、何言っちゃってんですか?」
ホームには、電車を待つ人々。
「マジなんだけどな」
「もー。からかわないでくださいよー!怒りますよ?」
「アホか?マジで言ってんだよ。だって……だ……」
「え?」
突然、0になった距離に反応できずにいる少女。
男は、耳元で彼女にしか聞こえない声で囁いた。
「好きだから」
少女は動くことすらできず、開いた口は、彼の笑顔に言葉をなくした。
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