黒猫の誘惑-Jin.A-

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俺の名前を呼んでから、唇を重ねて腕をキュッと締め付けられる。 ちゅ…と、音を立ててキスをされ、仕方なしに俺はやる気もなくそれに応えた。 「…ちゃんとキスしてよ」 さすがに不機嫌そうに眉をひそめた相手に俺は口元を緩める。やっぱりコイツも何だかんだで可愛いと思ったからだ。 「俺は本命いるっつったろ?」 「………亀でしょ。」 さらりと黒髪を掻き上げて、ツンっとした顔で図星をつく。 「知ってる。けど、据え膳食わぬは何とやら‥ってね」 悪戯な小悪魔に笑顔で誘われて悪い気がするヤツがいるのだろうか。 もう一度、今度は最高のキスを求める相手に、俺は望み通りのソレで応えてやった。
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