63人が本棚に入れています
本棚に追加
暖かくなってきて、桜の花びらが舞う季節。
私は中学校に入学した。
緊張や期待、様々な気持ちが行き交う中、友達も沢山でき、学校生活は順調に進んでいた。
入学式に知り合い、すぐに仲良くなった、桃。
ある日、その子からこんな質問をされた。
「そうだ。美輝、部活何にする??」
「…あ」
部活。すっかり忘れてた!
そういえば私…
「全く決めてないんだった…」
私は特別習い事してるわけでもなければ、趣味や特技もこれといってなかった。
「あ、良かった。うちもまだ決めてないんだぁ~!美輝、決まらなかったら美術部にしない!?」
…美術部?
「う―ん。別に、いいけど…何で??」
なんか暗いイメージあるなぁ。
「美術部ってね、一番サボれるんだって!!!」
………そこかい!!!
「…まあ、もうちょっと考えてみるよ」
私は別に絵書くの嫌いじゃないけど…
なぁんかパッとしないなぁ。
まあ、部活見学あるらしいからその時に決めよう。
――部活見学の日。
私は美術部に行くといっていた同じクラスのあかりと共に美術室へ向かった。
中に入り、席に着くと、前には同じ小学校だった二人の友達が座っていた。
―武本 琴絵。
クラスは一緒になったことはないが、友達関連でよく遊んでいた。
ちょっと気が強いイメージがある。
―柏崎 実久。
元同じクラスで、仲の良かった子だ。
わりとおとなしめだが、大人っぽく、ノリもいい子だ。
二人は同じクラスらしい。
四人で話している途中、実久から思いもよらぬ提案が出された。
「美輝。部活決まってないなら、剣道部は??」
「……え??」
剣道部…?
そんなの、全く考えてもいなかった。
「うちら剣道部入るんだ~」
琴と実久は口を揃えて言った。
剣道なんて、全く無縁だったため、何もわからない状態だった。
もちろん、すぐに返事を出せるわけでもなかった。
「ま、とりあえず明日見学行こうよ!うちら昨日行ったし。一緒に行こう!」
「…うん…」
マジですか…
翌日。
私達は武道場へ向かった。
初めて来るその場所に、目を丸くする。
「わぁ―…凄い。え―何これっ、武器ぃ~!?」
初めてみる光景や物に、私は大はしゃぎで、興味津々だ。
先輩からの指導で、刀…、「木刀」と呼ばれるものを振り、素振りをした。
最初のコメントを投稿しよう!