*存在*

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剣道部は部員同士の仲が凄く良かった。 木の葉も枯れ、肌寒くなり、コートが必要になってきた。 冬。 今日は、部員全員でカラオケに行く日。 あ~…楽しみだなぁ。 私、歌うの大好きだもんなぁ。 先輩はみんな上手だろうな。あ、男子は全員下手そう~! なんて、みんなの歌を想像してみたりした。 あ―あ。 歌上手な男子っていないのかなぁ~~。歌うまい人カッコいいのに…。 ちょっと早めに身支度をすませる。 待ち合わせ場所まで、一年女子で行く。 琴は私んちに来るんだけど… もうそろそろかな? ピンポーン あ、来た! 「は―いっ」 「おはよっ、美輝。髪やって!!」 …会って第一声がそれデスカ。 まぁいいけどね。 私、人の髪の毛イジルの好きだし。 「どんな髪型がいい?」 「ん~?美輝が決めていーよっ!」 そ―言われてもなぁ。 今日は寒いから、アップじゃ冷えるし。 「じゃ、巻くね。」 琴の髪はセミロングくらいで、ヘアメイクがしやすい。 おまけに女の子らしい可愛い顔立ちなため、巻き髪が似合うのだ。 「出来たよ。」 「わあっ!ありがとう~~」 クルンとした鏡に映る自分の髪を見て、はしゃぐ琴。 それを見て、ついついこっちも微笑む。「琴似合うよ~。…あ、あと15分だよ。行こうか」 「へ―い」 自転車で5分程度で着くカラオケ。 でも意外ともう人は集まっていた。 わ…みんな私服だぁ… 先輩は大人っぽいなぁ~~。 男子は、 …ぷ、ガキっぽい服。まあ予想はしてたけど…。 しばらくして、みんなが集まり部屋に向かう。 店員に、 「何名ですか」 と聞かれて、数えるのに苦労したが… 「はいっ、じゃあみんなどんどん入れて入れて~」 一人の男子が予約したため、二番だと私は曲を入れた が、その男子は突然 「あ、やべ 歌えね―」 と、演奏中止をした。 な…、なんですと~~!? 困るっ… あぁ、曲始まっちゃった~~! う…みんなの視線が痛い……。 「…っ~♪」 ちょちょちょ……っ、歌ってるけど、口震えてるっ… ―YUIの、again。 何かのアニメの主題歌だし、知名度高めかな。 あ、もう少しで終わる! 曲が終わると、先輩を始めみんなが拍手してくれた。
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