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小4の時、ドッチボールの時間にあたしを守ってくれた
隣のクラスの中村君
キラキラした男の子
小学生らしい
何なんだそれはの理由で
ドッチボールなんだから
守るのは当たり前なわけで
あたしだったからじゃないわけで
なのに
周りの子に
のせられて
のせられて
小5の林間学校で告白
いつもみんなに囲まれて笑ってて
色んな女の子から好かれてる
キラキラした男の子
<そっちの世界>の男の子
『っていうか、誰?』
トゲだらけの言葉
『まじ、勘弁』
あたしの顔を見て、苦笑い
あたしの好きだった、キラキラした笑顔は
キラキラした人への限定品だったんだ
そりゃそうだ
初めてまともに話した中村君の目は
あたしの目より遥かに大きかったもん
短かった前髪を伸ばしだしたのは、その頃
目が良いのに、眼鏡をかけたのは中学生になった時
あたしは、あたしを
隠した
できるだけ中村君の目に触れないように
触れないようにしたかったのに
3年間とも同じクラスになっちゃったりして
サッカーしてる姿を目でおっちゃったりして
体育祭のリレーの応援もしちゃったりして
伝言を伝えるだけでドキドキしちゃったりして
彼女ができる度に泣いちゃったりして
高校も言い訳をつけて
駅から近い所が良いとか
ランクを少し下げて楽に入れるようにとか
新しめの校舎が気に入ったからとか
馬鹿みたいに追いかけた
また、同じクラスになっちゃったし
そんでもって、
嬉しかったりして
馬鹿みたい
本当に、馬鹿みたい
叶わないって分かってるのに
あたしには、あのキラキラが向けられる事はない
向けられるはずがない
もう、やめたい
なのに、固執する
可愛い恋なんかじゃなかった
可愛くない、あたしみたいに
嫌い
嫌い
自分が
嫌い
嫌い
ストーカー紛いの自分が
嫌い
嫌い
キラキラしてない自分が
嫌い
嫌い
あんな人の事を好きな自分が
嫌い
大嫌い
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