ほとんど100cm

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今までどこにこんな勇気が眠ってたの? あたし、どうした? 立花さん、すごい まさか神様? とか、馬鹿な事を考えちゃうくらい興奮した 言ってやった 中村君に 言ってやった そりゃ、もちろん 勇気って言ったって 所詮はあたし 膝がグニャングニャンだし 手足ガタガタだし 自分で分かるくらい息まで荒い でも 『好きでした』って言ってやった 泣いて喚いてやった みんな見てたけど 『悲しかった』って言ってやった 何年も前の事だけど 『傷ついた』って言ってやった 泣きすぎて、何言ってるか自分でもよく分からなかったけど 中村君はひたすらにオロオロしてた キョロキョロもしてた すごーーーく困らしてやった だって今までの分、お見舞いしてやりたかったもん それで 最後に しぶしぶって感じだったけど 『ごめん』って謝ってくれた 思ったよりも、嫌な人じゃないのかもって思った 仮にも好きな人に変な言い方だけど …… んーん、好きだった人 <だった人>だ 心配したクラスの女の子がみんな、一生懸命慰めてくれた 優しかった ごめんね みんな 泣いてるけど そんなんじゃないんだよ 言葉にしようとしたのに、また泣いた そんでもって分かったのは 『中村なんて、超女好きだしさ』 『顔だけだから』 『面倒臭いし、あんまり話面白くないよ』 中村君は…実は<クラス1のモテ男>でもなかった事 ちょっと可哀相になっちゃうくらい あたしは眼鏡だけでなく、とんだ色眼鏡で中村君を見てたみたい 恋って盲目とは、言いますが 何とまぁ!! ちょっと笑って また泣いた 散々泣いて、夜を明かした 次の日は休みで お昼までグースカ寝て 腫れぼったい小さい目のまま、美容院に行った 美容師さんが<失恋したんですか?>なんて、冗談でも言えない顔で 眼鏡もとって 「一番似合う髪型にしてください」 まさか、あたしが こんなあたしが こんな事を言うなんて! 眼鏡無しで見る世界は 少し、キラキラしてた
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