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もう、3ヶ月かぁ
6月のジトジトした雨
ひどいくせっ毛をいじりながら、立花さんの後ろ姿を眺めた
厚い前髪がさらに厚く感じる
モジャモジャだし
超ぶ厚い眼鏡も湿気でくもるし
梅雨は嫌い
勇気を出した日から一週間ちょっと
案の定、それ以来一言も話せてない
常に一人だし
授業中はほとんど寝てるし(か、いないし)
休み時間に忽然といなくなるし
珍しく起きている、立花さんの綺麗なつむじ
いいなぁ…サラサラの髪の毛
友達になりたいなぁ
自分でもキモいなと思う
キモッて
女の子にこんなに執着するって
……レズみたい
可愛い子ならまだしも、あたしみたいな可愛くない子に
でもなぁ
でも
友達になりたいなぁ
放課後
雨が酷すぎて、帰る気になれなかった
久しぶりに図書室で読書
人が少なくて、落ち着く
あたしにピッタリの人並みの趣味が読書だ
自慢じゃないけど、結構読む
時間が経って、気づくとあたし一人になってた
んー!!
集中したなー!!!
ぐぁっと伸びをした
-ガラッ
扉の開く音がして、ギュッと閉じていた目を開く
…
嘘
大きな目とあたしの大きくない目がバッチリ合った
おまけにあたしは万歳ポーズだ
アホすぎる
「………すいま、せん」
万歳ポーズのまんま謝った
アホか、自分
眉をしかめた立花さんは、そのまま扉の近くに座った
き、きまづい
手の中の本が、クシャっとした
ど、どうしよう
でも、チャンス
…チャンスっちゃ、チャンスだけど
あわわわ
2つ先のテーブルをチラッと見る
いつからだったのか、立花さんはあたしをジィっと見ていた
大きい目で
「ソレ」
へっ?
「ソレ」
チョン、チョンと人差し指であたしの手を指す
「こ、コレ、ですか?」
クシャクシャになった本
何度も読んだことのある推理小説
「うん」
…まさか、立花さんの読みたかった本を横取りしたとか
ない、ですよね?
青くなったあたしの顔なんて気にせずに、立花さんはジィっとあたしの目を見た
「好きなの?それ」
「は、ハイ」
「……ふーん」
大きい目がほんの少し細められた
レズじゃない
あたしはレズじゃないけど
めちゃくちゃ、めちゃくちゃ
嬉しかった
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