0.チート、解禁。

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夕焼け空に3人の少年少女。 彼らは河川敷でかけっこをして楽しく遊んでいる。 「よ、よりとぉ~!ま、待ってよぉ~!」 後ろから2人を追い掛けるようについて来る少女は嵯峨根美幸(さがねみゆき)。 夜のような黒髪を二つ括りにしてパタパタと揺らす。 彼女は近所、いや、世界レベルで有名な嵯峨根財閥の娘である。 「遅ぇぞ、みゆき!」 そんな美幸を心配しながらも先に行く俺の名前は中神頼人(なかがみよりと)。 近所では無駄に元気な少年で有名だ。 「よりくん、みゆきちゃんに合わせようよ?」 俺の横を走るポニーテールの女の子は近堂飛鳥(こんどうあすか)。 運動が大好きな女の子で何をやらせても上手に熟す。 俺達3人は幼稚園が一緒でそこで友達になった。 初めは飛鳥と意気投合し、次に仲間外れになっていた美幸を仲間にして3人で遊ぶようになったのだ。 「仕方ねぇな。あすか、みゆきと手を繋いで走るぞ!」 「よりくん分かった!」 俺と飛鳥が美幸の左右に立って腕を掴む。 「えっ、ちょっ、速いよぉ~!」 腕を掴んでから走るが、それでも美幸には速いのか何回か躓きそうになっている。
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