2606人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
夕焼け空に3人の少年少女。
彼らは河川敷でかけっこをして楽しく遊んでいる。
「よ、よりとぉ~!ま、待ってよぉ~!」
後ろから2人を追い掛けるようについて来る少女は嵯峨根美幸(さがねみゆき)。
夜のような黒髪を二つ括りにしてパタパタと揺らす。
彼女は近所、いや、世界レベルで有名な嵯峨根財閥の娘である。
「遅ぇぞ、みゆき!」
そんな美幸を心配しながらも先に行く俺の名前は中神頼人(なかがみよりと)。
近所では無駄に元気な少年で有名だ。
「よりくん、みゆきちゃんに合わせようよ?」
俺の横を走るポニーテールの女の子は近堂飛鳥(こんどうあすか)。
運動が大好きな女の子で何をやらせても上手に熟す。
俺達3人は幼稚園が一緒でそこで友達になった。
初めは飛鳥と意気投合し、次に仲間外れになっていた美幸を仲間にして3人で遊ぶようになったのだ。
「仕方ねぇな。あすか、みゆきと手を繋いで走るぞ!」
「よりくん分かった!」
俺と飛鳥が美幸の左右に立って腕を掴む。
「えっ、ちょっ、速いよぉ~!」
腕を掴んでから走るが、それでも美幸には速いのか何回か躓きそうになっている。
最初のコメントを投稿しよう!