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そんな楽しい一時が過ぎ、みんなが寝る時間になった。
因みに夕食前の遊びの話なんてみんなすっかりと忘れていたのだ。
「今日も楽しかったね!」
「そうだな」
「うん、そだね」
ツインベッドに3人が並んで布団を被っている。
どこの家で寝る時も3人横並びが当たり前だ。
飛鳥の家で寝る時、久遠ちゃんと美菜さんは別の部屋で寝ている。
「それじゃ、お休み!」
「お休みー」
「お、お休みっ!」
その声を最後に規則正しい呼吸音だけしか聞こえなくなる。
外でいっぱい遊んで疲れたのか、寝付きがとても良かった。
◇
あれから10年。
楽しかった日々も1人欠けた事により詰まらない日々へと変貌した。
――飛鳥の死。
7年前に交通事故でこの世を去ったのだ。
俺が傍にいたのに何も出来なくて、ただ、彼女を見守るしか出来ないでいた。
今の俺は当時の俺に伝えたい事が山ほどある。
何故もっと頭が回らなかったのか。
何故何も出来なかったのか。
責めれば責める程疑問が浮かぶ。
そんな自分が嫌だ。
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