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1、寺門前町の小さな川沿いに、桜がたくさん植えてある。
桜の季節ともなれば、鮮やかに、桜が咲き乱れる。
そして、シーズンの終わり、桜が散る時、
一面、桜の花びらが舞い散るのである。
久しぶりに行ってみたきなった。
着くと、まだ、満開ではなかったが、
6~7分咲きくらいには、桜が咲いていた。
小さい頃は、父と妹と僕の三人で、よく川沿いを歩いたものだった。
父と妹と僕の三人で・・・・・。
2、「もう疲れたのよ」
「そうか」
「別れましょう」
「何を言ってるんだ。小さい子供が二人も居るんだぞ」
「貧乏と甲斐性のないアンタには、もう、うんざりなのよ」
職場で出会い、結婚した両親であった。
結婚を期に、母は退職した。
その後、不況から、会社の経営状態悪化により、
父は会社をクビになった。
正社員の採用もなく、母と父とで、
アルバイトや派遣の仕事をして、家計を支えていたのだった。
2に続きます。
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