桜の風景3

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2の続きです。 3、母の収入が無くなった以上、 今の家には、住めなくなった。 父は早急に次の家を探さなくては、ならなくなった。 僕八才、妹五才の冬であった。 父は不動産屋に物件を探しに行った。 「条件は?」 「できるだけ安い方がいいんですが・・・家賃3万から4万で、家族三人が住めるような所」 「そのお家賃ですと、単身用のワンルームのアパートくらいしかないですよ」 「古くても、かまいませんから、ないですか?」 「と、言われましてもねえ」 何軒かまわるが、なしのつぶて。 夕方くらい、ある不動産屋、 「その条件では、ワンルームくらいしかありませんねえ」 「やっぱり、そうですか」 少し奥から声がした。 「あそこどうだ、フクダ荘」 「社長、でも、あそこは・・・」 社長のようだ。 「お客さん、お金に困っておいでのようですが」 社長が話かけてきた。 「ええ、まあ」 「かなり古いですが一戸前があります」 「本当ですか!」 4に続きます。
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