3.明かされる過去

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「一夜も、初めて?」 俺は…... 咲の顔が浮かぶ。 一瞬、顔が引きつる。 「俺は、2回目かな……」 絢乃から、顔を逸らして答える。 「悲しいの?」 ……ッ! 絢乃の顔を見る。 絢乃の透き通るような瞳が俺を見据えていた。 なんで…... なんでこいつは、いつも俺が思ってる事がわかるんだ? ダメだ。 やっぱり、今日は…... 「悲しくなんて……」 「楽しもう♪」 俺の言葉を遮るように、絢乃が俺の手を握る。 えっ? 「お、おい……お前……」 「違う、あ・や・の」 絢乃の表情は、いつもより少し和らいでいて…... 少し、ドキッとしてしまった。 なんだよ…... 絢乃の奴、こんな顔も出来るんだな。 「はぁー」 ため息が出る。 なんでだろうな...… さっきまで、嫌な気分だったのに…... 何故だか、こいつといると安心してしまう。 絢乃に手を引っ張られている俺の顔は、少し微笑んでいた。
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