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「ねぇ〓…...」
少女が口を開く。
「私と付き合ってみない?」
少女の口から出た言葉は、まったく予想していなかった言葉で…...
俺は、ただ…...
少女を見ている事しか出来なかった。
少女の表情は、変わらない。
その表情からは、まったく感情が読みとれない。
ただ、少女の瞳は…...
『悲しさ』を俺に伝えてくる。
「無理だ」
俺は、人と付き合う事は出来ない。
だって、俺の彼女は…...
俺の好きな人は…...
咲だけだから。
少女からの申し出を断り屋上の扉に向かう。
また明日、出直そう。
「私の事は……沙希って呼んでね」
えっ?
沙希って呼んでって…...
こいつ、話聞いてなかったのか…...
だから…...
「俺は、お前を沙希とも呼ばないし……付き合わない」
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