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…いた
部屋を出てすぐ外に飛び出して
辺りを見渡せば
身体を小さく丸めて座っている
「貴久」
名前を呼んで隣に座った
「ごめんね、寝てたでしょ?」
「ううん、たまたま起きてた」
「ありがと」
俺がついた嘘に気付いたのか
貴久は、そう言った
なかなか顔あげないけど。
ずっと下を向いてる
「呼び出すとか珍しいな
…なんかあった?」
「なんでもないよ」
やっぱり俺の顔見ない
けどなんでもないって言ってるし
言いたくないんだろう
俺はそれ以上なにも聞かずに
そっと頭を撫でた
するといきなり貴久は立ち上がる
俺も合わせて立ち上がった
「なあ、寒くない?」
夜中なのに半袖の貴久
部屋の中でも窓開けっぱで
寒かったのに
さすがにこれじゃ寒いよな
ぎゅっ
またいきなり
こいつは俺に抱き着く
気分屋め
「…うん、寒いから
力いっぱい抱きしめて?」
「了解」
昔っから甘えん坊な奴
なにかあるたびに俺に抱き着いてくる
ほんと可愛い
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