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晴れた日は、仕事がしやすい。
「おはようございまーす」
「どうぞー」
私はティッシュを配っている。
笑顔でティッシュを差し出せば、大体の人は受け取ってくれる。
おばちゃんなんてお礼を言ってもらってくれる。
ティッシュ配りは、女一人暮らしでも余裕綽々暮らせるくらい稼げる。
労働量もそんな苦ではない。
ただ立って、笑顔で配ってれば良いだけだもん。
友達には、いい加減まともな仕事しろだとか、そろそろ落ち着けだとか、バイトなんて使い捨てだとか、色々言われるけど、私はティッシュが好きなんだ、仕方ない。
金だって物だって人間だって人生だって、世の中使い捨て。
みんな使い捨て。
誰が死んだ私の身体を使う?
内臓は役に立っても、全部は要らないでしょ?
金使えば満たされる心はある。
でもそれはいつまで続くもの?
今さえ良ければ良い。
刹那的で可哀想な子と思うなら思えば良い。
でもこれが現実。
男も女もたくさんいる。
恋人も友達も、嫌なら違う奴に変えれば良い。
自分じゃなきゃ出来ない事なんて無い。
誰でも出来る奴は出来る。
ティッシュと同じ。
使い捨てのティッシュと同じ。
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