最期の嘘

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「パパ、死なない?」 不安になったねねが聞いた。 「多分…、死んじゃうかも…、そしたらどうする?」 意地悪なことを言う。 「ねねちゃん、泣いちゃうからダメ」 「大丈夫だよ、パパはいなくならないよ。運動会の時に言っただろ?またねねが転んだら、パパが助けてやるってさ」 笑いながら哲弥はねねの頭を撫でた。 「お兄ちゃん、もうそろそろ今日は帰ろうよ」 「そうだな、このままずっといても仕方ないな」 三人は立ち上がって病院から出ることにした。 外はいつの間にか暗い。 夜空は月が明るく光っていた。 工藤静江が早く元気になるようにと願いながら、三人は家に帰って行った。
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