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深夜のせいか、普段は聞こえない遠く離れているドアのバタンと開く音がしっかりと聞こえた。
すると急ぎ足で、カツカツという廊下に響かせてこちらに向かって来る足音。
それと同時に赤ん坊の泣き声。
座っていた哲弥は目を見開いたままゆっくりと立ち上がる。
生まれたことを確信した。
「おめでとうございます。元気な女の子ですよ」
ナースが笑顔でそう言った。
タオルに包まっている生まれたばかりの赤ん坊は元気良く泣いている。
哲弥が想像していたよりも、赤ん坊の小ささに驚きを隠せない。
「俺の…子供…」
赤ん坊を見ながら小さく哲弥は呟いた。
「ちょっとこの子は体温が低いから、今から別室に連れていきますからね」
「あ、はい…」
ナースは急ぎ足で別室へと赤ん坊を連れて行った。
哲弥は呆然としてナースの後ろ姿を見つめている。
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