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本当に赤ん坊が生まれた。
事の重大さを改めて感じるのだ。
もっと更に哲弥の呼吸が激しく荒い。
とても重い責任に殺されそうになる。
「俺の…、俺の…子供…、俺の…子供…、俺の…、俺の…」
まるで自分に言い聞かせるかのように何度も何度も同じ言葉を繰り返し小さく呟く。
言い聞かせることによって、無理矢理に父親であるという自覚と実感を自分に対して芽生えさせようとしていた。
とりあえず再び座ろうとして後ろを振り向くと、いつの間にか秀人の姿がない。
恐らく出産を終えた香織の元へ行ったのであろう。
香織がいる部屋はどこなのか分からないが、哲弥もそこへ向かうことにした。
しばらく院内を歩いていくと、いくつかある部屋のひとつから明かりが漏れている。
きっとそこに香織がいるのだろう。
部屋の前まで着くと、香織と秀人の話し声が廊下にまで聞こえてきた。
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