出逢い

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彼女は泣いた。 声をあげて泣いた。 僕は泣けなかった。 見たことも触れた事も無いモノに対して涙を流す機能を備えていなかったのだ。   君と出会った日。 食事が美味しかった事。 彼女と過ごした時間が楽しかった事。 どう過ごせば良いかわからなかった事。 たくさんの出来事の中に埋もれる事無く、君の歯車に僕の歯車が触れた瞬間だったんだ。
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