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エルーがここに来てしまった理由をルフに話すと納得したように笑っていた。
エルーは困り顔で笑うと下から声がかかる。
「なんで、外に行くつもりだったのにここにきたんだ?」
「起きたか、リク。」
「起きてたし…」
そう言うとリクは体を起こす。初めて牢屋に入れられた時と違って一人で起き上がるコツは掴んだみたいだ。
リクがエルーの方へ視線をやるとエルーは申し訳なさそうに頭をふせる。
「すみません…踏んでしまって…」
「いいけど…エルー?だっけ?」
「はい。」
「なんで外に出れずにここに?」
リクの質問にエルーはキョトンとして、信じられない言葉が帰ってくる。
「そもそもここはどこですか?」
その答えに呆気とられる囚人二名。ルフは面白そうに笑いながら喋り出す。
「これは…とんだ箱入りだな。牢屋も知らねぇーとは…」
「ろう、や?えっ!?ここ、牢屋!?」
「あ〰…大丈夫。オレとルフは別にあんたを襲わないよ。」
「えっ…あっ…えっと…えーと…💧💧」
今さら焦り出したエルーに対してリクは深いため息を吐く。
「エルー。帰り方解るの?」
リクの問いかけに固まるエルーを見るところ何も知らないのだろう。
「どうしよ…」
「とにかく、ここに来てしまった理由を考えよう。」
「オレらも手伝うからさ。」
「あ、ありがとうございます!!えっと…」
「ルフだ。」
「オレはリク!!オレらに敬語はいらないよ!オレもエルーって呼ぶからさ。」
エルーはリクの言葉にたちまち満面の笑みになる。
「ありがと!!リク!!ルフ!!」
「つまり、エルーが使った魔方陣は普段は鍵が閉まっているめったに使わない場所なんだな?」
ルフはエルーから魔方陣の部屋について詳しく聞いた後何かが思い当たるようにエルーに質問する。
「うん。最後に使ったのは私が赤ちゃんの頃。お父様が大切な大切な手紙を渡すために使ったって。」
「成る程な。たぶんもうエルーが使った頃には魔方陣の力が弱まっていたんだろう。」
「どうゆう事――…」
エルーがルフの結論に質問しようとしたとき牢屋の中から二、三人の声が響く。
「ラルシリアンの姫渡せよ…ルフ…リク。」
「あの憎い王の娘だぞ…」
「殺してやる…よこせ…」
そいつらの言動にエルーは軽く悲鳴を出して震える。だけど、エルーの前がいきなり暗くなる。
「お前ら…💢喧嘩売ってんのか!!」
リクだ…
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