死刑囚

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ラルシリアン 世界で一番裕福な国。 この国はラルシリアン王によって納められている。 王は罪人を裁き城の牢屋に入れる権限を持つ。 そして、罪人に与えられる罪はほとんどが死刑だった。 仕方がない理由で罪を犯したとしても… ラルシリアン城 「貴様を死刑に処す。」 ああ、また一人罪を犯した罪人が死刑に罰された。 この城の幼き王女が悲しみ溢れた顔で目の前の赤髪の罪人をみる。 「罪人を牢屋へ。」 王の命令で兵士が罪人を立たせる。 その時罪人が王女の方を見る目が合う。まだ幼さが残ったその顔の瞳には光は映っていない。 まるで闇を見ているようだ。 罪人は兵士に連れられ牢屋へと向かっていった。 王女は罪人の背をただただ見ていることしか出来なかった。 牢屋 死刑囚達が入れられている頑丈な牢屋の扉が開かれ、乱暴にさっき罰された罪人もとい死刑囚の少年が入れられる。 「うっ!!」 乱暴に入れられ、頭を思い切り床にぶつけて少年はぐぐもったこえをだす。 少年を牢屋に入れると兵士は牢屋の扉を閉めてその場を立ち去っていく。 「う、ううっ…」 少年が起き上がろうと力を入れているが、手が木の板の手錠で動けないし、足には重りがついているためなかなか起き上がれない。 すると体がいきなり軽くなる。少年が後ろを向くとそこには自分の服を噛んで体を引っ張っている三十代位の青髪の男。 男はさらに力を入れて少年を起き上がらせると少年に声をかける。 「大丈夫か…?坊主。」 「…ありがと…」 「お前…」 男は少年の顔をみて驚いている。少年が思っていたより全然幼かったから驚いたんだろう。 「お前いくつだ?」 「十三。」 「十三って…お前一体何したんだよ…」 男が問い掛けると少年は辛そうな顔をして、黙り込んでしまった。 男は問い詰めすぎたかと思い、話題を変えることにした。 「坊主。名前は?」 「名前…?」 「ああ、名前はなんて言うんだ?」 「…リク。オレは…リク。」 「リクか。オレはルフ。」 「ルフ?」 「ああ。オレも死刑囚だから言えたもんじゃないがここの奴らはかなり頭がイッている奴がほとんどだからな。絡まられねぇーようにしろよ。」 そう言ってルフが立ち上がり、奥に行こうとする。すると、リクが立ち上がってルフに声をかける。 「ルフ。オレ、ルフと一緒にいていいか?」 「オレは死刑囚だぞ?」 「オレもだよ。」
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