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七年前の記憶が蘇る。
この人はあの時一緒にいたあの人。
いつも二人を見守っていた
あの暗いあの場所で
共に過ごした
忘れるはずもない
あの人…
「「ルフ…!」」
…――ルフ・アミルゲート
「…久しぶりだな…会えるとは…思っていなかった。」
七年前と変わらない気さくで優しい笑みと声。
「…ル、…なん…で…」
驚きで言葉が詰まり、上手く喋れないリク。
エルーもリクと同じく戸惑っている。
まるで幽霊でも見ているような二人の顔にルフは苦笑する。
「…そんな顔をするな、リクにエルー。オレは正真正銘ルフ…ルフ・アミルゲートだ。」
ルフは二人に近づき二人を同時に抱きしめた。
「ハハッ。大きくなったな二人とも。」
その言葉と確かな温もりに涙ぐむリク。エルーはルフを抱き締め返し、大きく泣いている。
そんなエルーを困ったように慰めるルフ。
エルーが落ち着いてきた頃、アルとネムが三人に近寄った。
「ルフ。二人に再会できて良かったね。」
アルの言葉にルフは二人を抱き締めていた腕を離し、アルに向き直り深く頭を下げた。
「はい、全てアル様のおかげです。…貴方には感謝してもしきれません。」
「アハハ💧💧やめてよルフ。顔を上げて。」
そんな二人のやり取りに不思議に思っている、リクとエルー。
「…ど、どゆうこと…?アル。ルフ。」
エルーの質問に答えたのは四人をずっと不思議そうに見ていたネムだった。
「何でって、ルフはアルの唯一の側近だよ。二人は主と従者の関係だからねー。こういう態度は当たり前だよ~。っていうか、二人ともルフの知り合いだったの?」
「「側近!?」」
ネムの質問には答えず、エルーとリクがネムの言葉に驚き、アルとルフの二人を見る。
「それこそどゆうこと!?」
「そうだぜ、ルフ!!だいたいあんた、広場で公開処刑だったんじゃ…」
「しょ、処刑!?どゆうことよ!!アル、ルフ!!」
いきなり問い詰めよるネム含めた三人にアルとルフは落ち着け、と宥めた。
三人が何とか落ち着いたのを見計らい、七年前のエルーの誕生日パーティーのあの夜の話をし出した。
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