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「………アミルゲートが……―――の父親…!?…これは…」
「……―――がボクの元を離れた時、ボクは…―――の言っていた両親を見つけてあげようと思い、父上に頼みました。…そして数少ない情報を集めた結果…」
アミルゲートが―――…の父親ということが解った。
アルは静かにそう言った。
「……アミルゲートが―――の父親と言うことを…信じましょう。…しかし、アミルゲートの罪状はアミルゲート自身が証言したことですよ?」
「わかっています。父上はその事に関してもアミルゲートに聞くと言うことで身柄を引き渡してほしいそうです。」
暫し沈黙し、黙っていた陛下だったが小さくため息をつくと頷いた。
「…アミルゲートの身柄をそちらに預けましょう。」
「ありがとうございます!」
「ですが、約束をしてほしいことがあります。」
「?」
「……アミルゲートが生きている、ルールシア国にいるということは他の者、…特にエンジェルには内緒にいただきたい。」
陛下の頼みにアルは渋々頭を縦に振った。
「わかりました。」
一時的に囚人を閉じ込めている小さな牢屋。
そこで静かに眠っているのはこの国で既に死んだことになっているルフ。
本人も今日処刑されると思っていたが理由を聞き、一日変わったくらい気にしていなかった。
そして今も静かに眠り、死の時間を待っていた。
そんなとき牢屋の扉が開く音がして、ルフは起きる。
「出るんだ。」
看守だ。だけど時間が早くないか…ルフはそう思いつつ看守に言われた通り、牢屋から出る。
「時間なんですか…?」
「いや、違う。」
「えっ?」
「いいから黙ってついてこい。」
看守に目隠しをさせられ、ルフは黙り、看守についていった。
どれくらい歩いたか、肌寒いからきっと外にいるのだろう。
「ここで待て。」
去っていく看守の気配に戸惑うルフだが近くに別の気配を感じ、前を向いた。
「…しゃがんでもらえますか?」
幼い声に内心安心したルフは言われた通りしゃがんでみた。
外される目隠し。目の前に優しく微笑む金髪の男の子。
「…お前は」
「貴方が…―――の父。」
「はっ?」
「ボクの、側近。」
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