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リク達が馬に乗り、準備はすんだ。今は指揮をとるアルの話に皆聞き入っている。
馬を使うと聞いたとき乗ったことのないリクは戸惑ったが案外簡単に乗れて安堵した。
まぁ馬の事はおいておき、アルの話しも終盤にかかってきた。
「――向こうには魔物もいる、だから皆くれぐれも一人で戦おうとしないでくれ。」
シーンと静まり返る兵士達。アルは一拍おいて普段使わない剣を空に掲げた。
「我らに剣と光の導きを!!」
《剣と光の導きを!!》
アルの言葉に続いて兵士達が空に剣を掲げ、言葉を続ける。
「出陣!!!!」
掛け声と共に兵士達が門から出ていく。
最後の列が出ていき、アルが門の前で待っていたリクたちの元に来る。
その途中アルは王と王妃、両親に軽くお辞儀をした。
夕刻、アルとネムとエルーは兵士達に囲まれた一番安全な真ん中に入り、馬を走らせていた。
兵士達のいくらか先には二つの影が見える。
リクとルフだ。
二人は一番危険な少し先に出て周りの様子を伺う《観察》の位置を引き受けた。
「アル、エルー、二人にあんな危険な役目させて大丈夫なの?」
《観察》の役目を受けた二人に以外にもすんなり頷いたアルとエルーを不思議に思ったネムが二人の横顔を見ながら聞く。
「大丈夫、ルフもリクも強いしこんなところで怪我するようなドジじゃないよ。ね、エルー。」
アルが微笑みながら真っ直ぐ前の二人を見つめているエルーに笑いかける。
「うん…」
エルーも口元を緩めて二人に微笑む。
そして再び前を向けばルフが手を振ってる。
「……ついた…」
ラルシリアン城が見える。
「……っ…」
エルーの息の飲む音が聞こえる。
「…ルフ達が呼んでる。行こう。」
再び進み始めた兵士達に続きエルー達もゆっくりとルフ達の元へ進んでいった。
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