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「ボク等が見えなくなったら突撃してくれ。ボク等が戻ってくるまでここの指揮は君に任せるよルフ。」
「はい、おきおつけて。」
「ネム、無茶しないでね。」
「あなたも、エルー。」
一通り伝えることを伝えたアルとエルーは踵を返し、抜け道へ行くために正門の魔物に気づかれぬよう城壁の横側へ進み始めた。
リクは二人に後ろからついていったが、ルフとネムが気になり後ろを振り返った。
そこには『二人を頼む』と口を動かし、笑顔でリクを見ている二人がいた。
リクは大きく二人に頷くと急いで前の二人の後ろを追った。
「ここよ。ここから書斎に繋がってるの。」
エルーが少し円に盛り上がった地面を開けようと引っ張ったり叩いたりするがビクともしない。
「…どうやって開けるんだったけ💧」
「えぇ!?」
抜け道の開けかたを完全に忘れてしまったエルーにアルが心底呆れたように驚く。
「しっかりしてよエルー…」
「ご、ごめん💧でもここを開ければ抜け道なのよ。」
「開ければいいんだな?」
盛り上がった円に足をおいて踏んだりしていたリクがエルーに聞く。
「えっ…そうだけど…リク?」
「二人とも少し離れてろ。」
不思議に思いつつも二人は少し後ろに離れた。
すると大きく足を振り上げたリクはその足を躊躇うことなく思い切り振り落とした。
砂煙がひくとリクがかかと落としをした盛り上がっていた場所は綺麗に砕け、穴が空いていた。
「「……」」
驚きに固まる二人にお構い無くリクはそのまま穴に飛び込んだ。
「…なんていうか…すごいね」
「…壊してどうするのよ…」
二人は呆れつつもリクの声がしたのを合図に穴に飛び込んだ。
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