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穴の下、地下は真っ暗だった。前も見えないくらいだ。
「リク?アル?いる?」
先に穴に飛び込んだ二人の姿がこの暗闇で確認できず、不安になったエルーが呼び掛けながら二人の姿を探す。
「ボクはここにいるよエルー。」
「アル!?良かった…リクは?」
暗闇でアルの表情は見えなかったが返事をしないていうことは解らないんだろう。
確かに今、アルとエルー以外の人の気配はしない。
「リクー!?どこー!?」
エルーが大声でリクを呼ぶが、返答がない。
「どこいったの…」
「エルー」
「きゃあっ!?」
ため息をつき、回りをキョロキョロしていたエルーの肩を名前を呼びながらいきなり誰かがつかんでくる。
それに驚いたエルーは悲鳴を上げた。
「お、落ち着けエルー。オレだ。」
「リ、リク…?」
声の主がリクだと解り、エルーはほっと安堵する。
「アルもそこにいるな?」
「うん。それにしてもよくボクとエルーの居場所が解るね?」
「気配でな…っと」
リクはアルの質問に答えながらどこからか拾ってきた太い枝に魔法で火をつけた。
それによって三人の顔が照らされ周りが見えるようになる。
それに安心する暇もなく、外から何かの破壊音と共に地鳴りが響く。
「突撃したんだ…」
アルが苦い顔でそう告げる。
「オレらも急ごう。」
鳴り響く地鳴りに負けないくらい強い声でリクが二人に呼び掛けた。
それに頷いた二人と共にリクは奥へと進んだ。
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