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暫く進んで行くと天井へ伸びているはしごが見えてきた。
リクは火がついている枝をアルに手渡すとはしごを静かに登っていき、天井を軽く叩き、静かに天井のタイルをどかした。
「誰もいない。上がってこい。」
部屋を確認したリクの言葉に二人は頷き、はしごを登って行く。
アルとエルーをリクが引っ張り上げ、一息つくと高い笛の音が周りに響く。
「この音…」
アルの言葉に三人は同じことを思ったのか窓へと走りより、外を見る。
たくさんの兵士達が戦っているなか、たくさんの魔物達が何かに縛られているように動かない。
その隙に兵士達が魔物を倒していく。
「ネムの笛の音がきいてるんだ…」
「すごい…」
「でも、体の大きな魔物や強い魔物は弱らせないと効かないらしいな。…“長”みたいに。」
リクの言葉通り、まだ数十体の体の大きな魔物や強い魔物は動きが鈍いが十分に攻撃している。
「急ごう。あの笛はネムの魔力で音を奏でてるんだ。ネムの限界がくるまえにジュラを倒そう。」
その言葉にリクとエルーが頷き、書斎の部屋をあとにした。
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