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リソルの話しにいつしか三人は黙り込んでいた。
リクはエルーとアルを見てリソルの言っていることが本当か聞いてみた。
「…確かにボクたちはジュラと面識はないけど…」
「…悪い奴とは聞いた事はないわ。」
二人の話を聞いて、リクはリソルに近づいた。
「…お前はどうしたいんだ?」
リクの質問にリソルは初めて驚いた表情をした。
「私は…ジュラ様の従者だ。いくらあの人が変わってしまおうとも、たとえ何かがとりつきジュラ様を操っていようと私は…今のジュラ様についていくだけだ。」
震るえるリソルを見ていたリクだったが、やがて再びドアの方へ歩きだした。
「!!や、やめろ!ジュラ様の力はここに来てから魔物以上に上がってる!!お前らには止められない!!」
腰の刀に手を添え、リソルが威嚇してもリクはドアに手をかける。
「ジュラを殺す。国を取り戻す。…お前になんて言われてもオレはそう決意した。」
それだけ言い放ちリクはドアを開き中へ消えていった。
一人残されたリソルはドアをただ一心に見つめていた。
「ハハッ…たくさんの仲間を連れてきちゃったね。」
王の席に座っているジュラはまるで焦っていなく楽しそうに笑っている。
「ジュラ…っ…!!」
エルーが唇を噛みしめ、怒り籠った瞳でジュラを睨み付ける。
「そんなにカリカリしないでよ。…もっとこの戦を楽しもう?」
笑顔で巨大な殺気を放つジュラにエルーとアルは足がすくみそうになる。
リクはそんな殺気に負けずにジュラを睨み付けていた。
王の間のドアの前、リソルがドアを見つめているとリクに倒されたはずの大きな魔物がいきなり起き上がり、リソルに襲いかかってきた。
とっさの判断が出来ずかわせないリソル。だが、想像していた魔物からの攻撃の痛みはなかった。
気付けば魔物は地面に再び倒れ伏せている。しかし、大きな体は三等分に斬られていた。
「うっ…」
少々刺激が強かったのか口元を抑え、後ろへ下がれば何かにあたる。
「!!……お前は…!!」
リソルの後ろにいた者はリソルに見向きもせず、魔物の体を踏み、ドアへ近づいていった。
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