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「外に出たいの!!」
そう言って急に走り出すエルー。ラルフはいきなりの事に固まっていたが、暫くして我に帰る。
「え…あっ…エルー様あぁああ!!」
そして、逃亡したエルーをラルフは必死に追った。
エルーの部屋
「エルー様あぁああ!!」
ラルフが叫びながらエルーの部屋のドアを勢いよく開けるとベランダの枠の上に登っているエルーの肩がびくりと揺れる。
「もう追い付いたの!?」
「何やってるんですか!!降りてきてください!!」
「嫌よ!!」
「じゃあ力づくで降ろさせてもらいます!!」
ラルフがエルーが登っているベランダへ走ってくる。エルーは枠の上でラルフの方に向く。
「ラルフ!!」
「!?」
いきなり大声をかけられた事でラルフはエルーの目の前で止まり、枠の上に立つエルーを見上げる。
「ラルフごめんね!!」
エルーが急にしゃがみこむ。エルーを見上げていたラルフはエルーがいなくなった事によって空の太陽を直に見てしまい眩しさから目を瞑り、顔を反らす。
その隙に一気にエルーがベランダの枠の端まで走り出す。
「っ…あっ!!エルー様!!」
ラルフが急いで追いかけるが少し遅く、エルーは枠を力強く蹴り、軽く呪文を言うと強い風がふき、エルーは隣の部屋のベランダに着地する。
「やった!上手くいった!!」
大喜びするエルーとは真逆に
「あぁああ!!!!エルー様あぁああ!!!!」
パニクル、ラルフ。
「エルー様!!絶対中に入ってはなりません!!」
「えへへ。バイバイ。」
エルーはラルフの忠告を無視して部屋の中に入っていってしまった。
「エルー様!!エルー様!?あー!!もう!!陛下ぁー―!!」
ラルフは大慌てで陛下の元へ走っていった。
「へぇー…これが魔方陣かぁ~…」
エルーは部屋の真ん中に書かれてある魔方陣に釘付けだ。
「これで外に出れるのかな…」
エルーは半信半疑で魔方陣に近づいていく。
そして、魔方陣に足を踏み入れたその時。
「きゃっ――…!?」
いきなり魔方陣が光だし、エルーは尻餅をつく。
すると瞬く間にエルーは光に包まれる。
「えっ?えっ?」
エルーがワタワタしてるうちにエルーの体は消え去った。
エルーが目を開けたときは真っ暗で何も見えなかったが少し、体勢を直したら下に変な感触。
「うぅー…」
「きゃあっ!?」
赤い髪の少年――リクだった。
これが、後に世界を動かす運命の二人が会った瞬間だった。
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