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∞∞∞
ケータイの時計を見てみると、日付が変わって既に午前0時。
俺は家を抜け出して、毎日シャッターのしまった店の前で待っている。
真冬の夜中は寒い。
俺は両手を合わせる様に握り、それに息を吐きかけた。
たとえ寒くても俺は待たなければならない。
そして、待ってる時間が長い程、俺の心は踊るばかり。
まるで、餌を前に【待て】を強要されてる犬の如く。
もう一度、時計を見た。
am/00:30
遠くから耳障りな爆音を響かせる一台のバイクが俺の前に止まった。
ブロロロ…
「おまっとさん、千賀♪」
俺は、バイクに跨ったまま俺にヘルメットを投げてよこす人に笑顔を向けた。
「崇裕さん♪」
「ホラ、乗れよ」
「はい!!」
俺は渡されたヘルメットをかぶり、急いで崇裕さんの後ろに乗った。
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