序章 ─絶望─

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知らなかった新しい情報に流されそうになったが、山田は続けた。 ──新田が高校に上がり、それほど手は掛からなくなっていた。余裕の出来た父は、今まで喉に何か詰まっていた物が取れたかのように、夜の街に毎日のように繰り出した。 ある夜、つい数日前にできた呑み仲間と帰り道をふらつきながら歩いていると、ふと目の前にあるポスターに目がいった。 そこには、「世界に幸福を」 と書かれ、下の方に小さく 「信じるものは救われる」 とだけ書かれていた。
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