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「それがなんで昨日の新田の校欠と関係があるんだよ」
「まぁ聞けって」
そうゆうとまた山田は話し出した。
──そこの団体に加入すると、入会費から始まり聖書代、月額費、諸経費…などなど高額な金を必要とした。
しかし、新田の父は信じてやまなかった。
きっと今までの苦労は報われる
…と。
そして新田の父の貯金はみるみる減っていき、ついには破産。借金をする生活を送ることになってしまった。
そして…
その団体が金を荒稼ぎするだけの暴力団下部組織の1つであることに気付いたのは、そこに加入して1ヶ月のことであった。
それから新田の父は必死に働いた。
新田が一番手の掛かった時より働いた。
しかし、借金は減るどころか利子のせいで増える一方だった。
そしてついには、自分の子を不良グループ、「龍神」の中で盗みを担当する「鷹」に加入させ現金窃盗を数多くさせた。
実の子を利用したのだ。
新田も最初こそ抵抗はしたが、父のためならと毎日毎日盗みを繰り返した。
そしてその内容は日に日にエスカレートしていき、……
…その饒舌な山田の口が、初めて声を詰まらせた。
俺は、どんなことを山田が言おうが動じないつもりでいた。
「…言えよ」
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