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久しぶりに交わした親子の会話。
それで温かい気持ちが一杯になる。
そう思うと、自然に笑顔になれた。
「チョコも元気そうでなによりだ。
向こうにいる間、沙歩がチョコを死なせてしまってないか少し不安だったよ」
ちょっと笑顔をひきつりつつも、眉間に皺を寄せつつも、私はそんな酷い事する人間ではありませんと、丁寧に丁寧に言ってあげた。
洗面台に行き、歯磨きと洗顔を済ませて朝食をとった。
朝食をとってる間はお父さんと他愛もない話をしていた。
ロスの話を夢中で聞いていたら、そろそろ行かないと遅刻してしまいそうな時間になっていた。
「いっけない、急がなきゃっ!
行ってくるね」
急ぎつつもお父さんに笑顔を向ければ、返ってくるのはいつもの優しい笑顔での「行ってらっしゃい」。
心が温まりつつも、ドタバタと家を出た。
少し小走りで学校へと向かい、何とか朝のHRには間に合った。
自分の席に座って肩で息をする。
額には汗がうっすらと滲んでいて。
「あ゛ー…疲れたあ…」
「珍しいな、沙歩が遅刻寸前とか」
隣を見れば海斗がいて、微笑んでくれた。
それにまた胸がトクンとなって。
少々ぎこちなく笑顔を返して、今朝の事を話した。
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