君との出会い

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「おーおー。 何そんなに真っ赤になるんじゃ」 「だっ、だだだだって!」 「だって、何じゃ?」 少し私に顔を近寄らせると、不思議そうに見つめてきた。 綺麗に整った顔、目はど少し大きくて、鼻は高くて、薄過ぎない唇、左に泣き黒子、肌は少し白くて。 簡単に言えば、物凄くかっこいい。 「き、昨日…」 「ん? おー、犬可愛いかったのう。 お前さんも「あー!!それ以上言わないで!!」 みんなに聞こえない程度に叫んで山中くんの口を両手で塞いだ。 また真っ赤に、それこそ茹で上がったタコみたいに耳まで真っ赤になって俯く。 手を退かされると綺麗に微笑んで 「面白いな、お前さん」 と言われて、へ?と思った瞬間にHRが終わった。 その瞬間、女子たちが一斉に山中くんの周りに群がって質問攻めをする。 邪魔になるかと思って席を立ち、海斗の前の席に座って海斗の方を向いた。 「なんか…すごい勢いだよね」 「……」 「海斗?」 じっと山中くんを見つめていて、応答に答えてくれない。 眉間に薄く皺を作り、その目から何とも言えないもどかしさを感じた。 「海斗…?」 「…! な、なんだ?」 海斗は驚きつつ笑顔を作り、私の方を向いた。 どうしたのだろうと思ったけど、口に出さずに山中くんの事を話すと、またもどかしい目をした。 「でね「沙歩、あいつと知り合いなのか?」 言葉を遮られ、じっと見つめられた。
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