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人だかりの中に私たちも入って、クラスを確認する。
「…嘘」
私と海斗は
「おっ。
同じクラスじゃんか!
やったな沙歩!!」
幸いにも同じクラスになった。
嬉しいっていえば嬉しいけど、複雑だ。
「そ、そうだね」
ひとまず笑顔を作って、教室へと向かった。
教室に入れば、人がまばらにいて喋っている人もいれば携帯をいじってる人もいる。
「俺の席、どこかなー?」
海斗がズボンのポケットに手を入れて、自分の席を探し始めた。
私もそのあとを付けるように席を探す。
「あ、俺ここだ」
椅子を引いて座った場所は、窓際から3番目の後ろから2列目のところ。
「ウチも見つけた…って」
海斗の机と私の机は、間にある通路を挟んで隣。
因みに私の名字は葉月[ハヅキ]。
だから順番的にはこうなっても当たり前って言えば当たり前。
「席も隣って…何かめっちゃ安心した!
なんか凄いな」
海斗は綺麗に笑って、そう言ってくれた。
やっぱり、海斗と同じクラスで隣の席ですごく良かった。
ずっとこの好きな笑顔を見ていられて、勉強する真剣な姿も見れるから。
凄く心が暖まる。
「そうだね」
私も微笑みながら言うと、海斗は頬をほんのり薄く赤に染めて目を背けた。
ただ、恥ずかしいだけだよ…期待しちゃだめ…海斗は彼女に夢中なんだから。
そう言い聞かせないと、私は勘違いをしてしまいそう。
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