3年の片思い

6/7
前へ
/19ページ
次へ
少し海斗と話していると、独りの女の人が入ってきた。 多分、この人がこのクラスの担任になるんだと思う。 「みんなー、廊下に出て! 入学式に行くわよ!」 呼びかけでみんなは廊下に出て行く。 「行くか」 うんと頷き、私もたちも廊下に出た。 すれ違うときに担任が何か言っていた気がするけど、気のせいで終わらせた。 体育館に入場して、その位置にあった椅子に座った。 校長の話を聞き流しながら、海斗のことを考えた。 海斗はどんな子が好みなのかな…ずっとこれも聞けずにいる。 簡単なことなのにいざとなると言えなくなる自分。 物凄く情けないと思う。 彼女はどんな人なんだろう。 可愛いのかな、美人なのかな? 海斗はその人のどんなところに惹かれたんだろう。 気になって仕方がない。 その彼女と手も繋いでキスもして…大好きとか、愛してるとか言ってたりするのかな? 普段見られない海斗とかも見れるんだよね。 すっごい羨ましい…もう少し早かったら、私と付き合っていたのかな…? でも、私なんかを好きになんてなんないよね。 ただの幼馴染で終わるんだよね。 考えれば考えるほど悲しくなって、泣きたくなってきた。 でもここで泣くのも嫌だから、我慢することにした。 なんで、こんなに勇気が無いんだろう。 言いたい事も言えないで、ただ海斗を思っているだけ。 それだけじゃダメだって分かっているのに…。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加