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少し海斗と話していると、独りの女の人が入ってきた。
多分、この人がこのクラスの担任になるんだと思う。
「みんなー、廊下に出て!
入学式に行くわよ!」
呼びかけでみんなは廊下に出て行く。
「行くか」
うんと頷き、私もたちも廊下に出た。
すれ違うときに担任が何か言っていた気がするけど、気のせいで終わらせた。
体育館に入場して、その位置にあった椅子に座った。
校長の話を聞き流しながら、海斗のことを考えた。
海斗はどんな子が好みなのかな…ずっとこれも聞けずにいる。
簡単なことなのにいざとなると言えなくなる自分。
物凄く情けないと思う。
彼女はどんな人なんだろう。
可愛いのかな、美人なのかな?
海斗はその人のどんなところに惹かれたんだろう。
気になって仕方がない。
その彼女と手も繋いでキスもして…大好きとか、愛してるとか言ってたりするのかな?
普段見られない海斗とかも見れるんだよね。
すっごい羨ましい…もう少し早かったら、私と付き合っていたのかな…?
でも、私なんかを好きになんてなんないよね。
ただの幼馴染で終わるんだよね。
考えれば考えるほど悲しくなって、泣きたくなってきた。
でもここで泣くのも嫌だから、我慢することにした。
なんで、こんなに勇気が無いんだろう。
言いたい事も言えないで、ただ海斗を思っているだけ。
それだけじゃダメだって分かっているのに…。
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