3年の片思い

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式も終り、みんなで教室に戻った。 席に座って先生が来るまで海斗と話していた。 先生がみんなの名前を呼んで出席を確認していく。 そして私は、左隣の席が空いている事に気が付いた。 あれ…なんでいないんだろう? 「葉月沙歩さん」 「え、あっはい」 隣の空席を見ていると、先生が 「あ、今日本当は来るはずだった生徒がいるんだけど、引っ越しが間に合わなかったみたいなの。 名前は山中 将流[ヤマナカ マサル]、男の子よ」 彼の名前を白いチョークで黒板に書いていく。 将に流れる…珍しい漢字の使い方だ。 「彼は他の県からここへ入学する事になっていて、今日までなんとか引っ越しを終わらせるって言っていたけど、間に合わなかったみたいなの。 多分今日は来ないだろうから、明日から仲良くして下さいね。 それでは、今後の日程について話します」 山中将流…なんで他の県から来たのかな。 どういう人なんだろうって、先生の話を聞かずに彼のことを考えていた。 どんな人なのかな? 優等生かな、不良かな…それともオタクだったりとか? いろんなイメージが湧いてきて、なんだか明日が待ち遠しくなってきた。 この人との出会いが、私を変えるなんて思ってもいなかったから。
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