<目覚め>

9/14
前へ
/98ページ
次へ
突如、シロガネの手がカタカタと震えだした。 「………?!」 ――――――カシャ……ン そしてシロガネの手からナイフが離れ、地面に乾いた音と共に落ちた。 (ど、どうしたんだ?身体が…………) そしてシロガネ自身も力無く膝から崩れていった。 (力が…入らない?!) 「な…にを、し……た……?」 終には呂律まで回らなくなっていった。 「なーに…強力な痺れ薬をさっきのダガーの刃に染み込ませてたんだよ。」 ラオはシロガネの首筋に当てていたダガーを見せた。 「な……ん…だ、と?」 「触れるだけでも皮膚から浸透し体を蝕む…。やや遅効性の筈だが、動いたり興奮したりすると効き目が速いらしいな。」 「ク………ソ…ッ。」 シロガネは、毒が全身に回ったのか力無く地面に倒れていった。 .
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加