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「弱いな………お前」
「ヒュ-……ヒュ-……」
『知ってるよ…』と言いたいが、口からは気管を通る息の音しか出せない。
それほど少女はボロボロなのだ。
少女は眼だけを動かしてラオを見た。
しかしその瞳には何も映っていなかった。
戦意も、シロガネの事も、助けてくれた漆黒の子の事も……。
(こんなに弱いのに利用価値なんてあるのか?)
ラオは少女の目を見てそう感じた。
「そんなに助けることが面倒なら殺してやるよ…。」
少女に鋭い視線を送りながら言い放った。
ラオは一匹のバケモノに命令を出した。
『シロガネを連れてこい』と。
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