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風で、しなっていた枝も、その風に舞っていた葉も、全てそのままの形を維持して止まっていた。
自分だけが動ける世界――――
少女には、シロガネが殺されなかったと言う安堵と共に言い知れぬ恐怖がわいてきた。
(だ…れ?!)
しかし、返答は無い。
〈ヨワスギル・・・ソンナカラダ ヒツヨウナイ〉
(…え?)
突如、少女の体は黒い霧に包まれ始めた。
「な…に、これ……。」
そして、自分の体に《何者》かが侵入してきた。
「っ…う……あっ!!」
侵入するにつれ痛みが伴い、そして意識が遠退いていく。
自分でも体を乗っ取られているのがわかった。
(くる…な…くるな……よ!!)
しかし、何も出来ない…。
「うあぁあぁああああ!!!!!」
そして、少女の最後の悲鳴と共に時間はいつもの様に刻み始めた―――――――
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