<自我喪失>

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「グァァアアアアアアァァァ・・・!!」 ラオに飛びかかろうとした妖狐は、指笛を聞いたとたん苦しそうに声をあげ、目は虚ろになり、膝をついた。 妖狐の様子を見てラオも、これまでの緊張の糸が切れたのか『ドサッ』と腰をその場に落とした。 「コンナ…モノデ…マケ…ラレルカ」 「やっぱり効いたな。」 (しかし、流石は神獣…普通は気絶するはずなんだがな…。) 「ジユウ…ニ、ナルンダ…イッショニ…」 妖狐がボソッと呟いた。 「え?」 (自由?なんのことだ?誰とだ?) ラオは妖狐の言った言葉が気になり、顎に手を当て考え始めた。 しかし――――――――― その時、妖狐の体が黒い霧へと変わっていくのが視界に入った。 .
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