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『シュ~…』っと水蒸気の様な音をたて、妖狐は少しずつ霧になっていく。
「ワタシ ハ、マダ…」
「!!」
最後まで言い終わらないうちに妖狐の全てが黒い霧になると、地面に集まり、人の形を成した。
そして、霧が『パッ』っと消えると同時に、ボロボロで気を失った少女が現れた。
「!! こ、こいつ…自我を亡くしたはずなのに…。」
ラオは驚いた。
(神獣ほどの強い力に意識を乗っ取られたはずなのに、もとの身体に戻るなんて…)
その時、少女の体が『ピクリ』と動いた。
「な……ま、ケホッ…え…。」
(…起きてる…のか?)
「しろ!!!!!!!」
大きな声と共に少女は飛び起きた。
「ウオッ!!」
(しろ?!…ってなんだ?ってか、ビックリした~…)
「ら、ラオ・メイ!!」
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