プロローグ

2/3

75人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
「そうそう、あのさ、また新曲発売だって!」 「えっ?! 本当に?! また覚えなきゃねー!」 「CMでも流れるらしいよ?!」 「えっ?! マジで?! そんならすぐ覚えられるじゃん!」 「そうだね、楽しみだね。」 私は友人と、そんな会話をよくしていた。 そんな学生だった。 毎日テレビを観て、ラジオを聴く。 それが趣味であり、日課だった。 CDを沢山買えないから、テレビを録画したり、ラジオを録音して、繰り返し曲を聴いて覚える。 すると歌詞を間違えて覚えたりするから、流行歌の歌詞が載っている本を買ったりしていた。 それを見て、必死に覚えていた。 だから、私の部屋からは毎日のように、歌声が聞こえていたのだと思う。 今思うと、ちょっと恥ずかしい。 それでも歌いたかった。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加