説明書

3/4
前へ
/7ページ
次へ
春香がトキワシティへ向けて草むらを進むと、後ろから大きな声で呼ばれた。 「春香さーーん!!」 「愛ちゃん!」 日高愛は大きく春香を呼びながら、追いかけてきた。 「春香さんもマサラからスタートですか?」 「うん、愛ちゃんもなんだ。っていうか、相変わらず声大きいね・・・ちょっと恥ずかしいかも、周りだれもいないけど。」 「あっ、すいません。いつもこんな調子で。ところで春香さん!バトルしませんか!?」 「え?あぁ、そっか。愛ちゃんもトレーナーだもんね。いいよ、やろうか!」 そう言ってお互いにボールを構える。 「行くよ、クーチ!」 「がんばれ、ゴニョニョ!」 愛が出したポケモンはゴニョニョだった。臆病なのか、びくびくして辺りをうかがっている。そんなゴニョニョを見て、クーチは困ったような顔をした。 「本当に戦うの?春香?」 「大丈夫です!この子はやれば出来る子です!!」 愛がゴーサインを出した。すると春香が仕切りなおすように言った。 「じゃあ行くよ!バトルスタート!」 かくして春香の初戦が始まった。 「とりあえず体当たり!」 春香が指示を出すと、クーチはゴニョニョに向かって走り、体当たりした。ゴニョニョは簡単に吹っ飛ばされた。 「うとぅ・・・痛い」 ゴニョニョはギリギリ聞こえるぐらいの声でぼそっと言った。 「え?なんて?」 クーチが近づき、もう一度体当たりをしようとする。 「!!チート、ストッ!!・・・」 春香が慌ててクーチを止めるが、少しだけ遅かった。 「え?うわっ!!」 突然ゴニョニョがとてつもない大声で騒ぎ始めた。 「さわぐ!?」 「な、う・・・ぐぅ」 クーチは至近距離でくらったさわぐにまだ頭がくらくらしていた。そこにゴニョニョが飛び掛る。 「いけー!はたく!」 「だっ!!」 「きゃ、いたた・・・」 ゴニョニョの見事な連続攻撃を受けて、クーチはへたりこんだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加