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春香がトキワシティへ向けて草むらを進むと、後ろから大きな声で呼ばれた。
「春香さーーん!!」
「愛ちゃん!」
日高愛は大きく春香を呼びながら、追いかけてきた。
「春香さんもマサラからスタートですか?」
「うん、愛ちゃんもなんだ。っていうか、相変わらず声大きいね・・・ちょっと恥ずかしいかも、周りだれもいないけど。」
「あっ、すいません。いつもこんな調子で。ところで春香さん!バトルしませんか!?」
「え?あぁ、そっか。愛ちゃんもトレーナーだもんね。いいよ、やろうか!」
そう言ってお互いにボールを構える。
「行くよ、クーチ!」
「がんばれ、ゴニョニョ!」
愛が出したポケモンはゴニョニョだった。臆病なのか、びくびくして辺りをうかがっている。そんなゴニョニョを見て、クーチは困ったような顔をした。
「本当に戦うの?春香?」
「大丈夫です!この子はやれば出来る子です!!」
愛がゴーサインを出した。すると春香が仕切りなおすように言った。
「じゃあ行くよ!バトルスタート!」
かくして春香の初戦が始まった。
「とりあえず体当たり!」
春香が指示を出すと、クーチはゴニョニョに向かって走り、体当たりした。ゴニョニョは簡単に吹っ飛ばされた。
「うとぅ・・・痛い」
ゴニョニョはギリギリ聞こえるぐらいの声でぼそっと言った。
「え?なんて?」
クーチが近づき、もう一度体当たりをしようとする。
「!!チート、ストッ!!・・・」
春香が慌ててクーチを止めるが、少しだけ遅かった。
「え?うわっ!!」
突然ゴニョニョがとてつもない大声で騒ぎ始めた。
「さわぐ!?」
「な、う・・・ぐぅ」
クーチは至近距離でくらったさわぐにまだ頭がくらくらしていた。そこにゴニョニョが飛び掛る。
「いけー!はたく!」
「だっ!!」
「きゃ、いたた・・・」
ゴニョニョの見事な連続攻撃を受けて、クーチはへたりこんだ。
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