『オモイの』詰め合わせ

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右目で真実を捉え、左目で嘘を見抜く。 右耳で風の音を聞き、左耳で雑踏を聞く。 右手には母の優しさを、左手には父の強さ。 右の胸には希望を、左の胸には命の温かさ。 私の体を流れるもの、汚れを知らない赤い愛。 愛が人を作り、愛が人を生かす。 愛で作られたこの体。 思うこと、それ、日々感謝の気持ち。 泣いてるかのような表情。 そんな空を見上げてみる。 「ねぇ、どうして泣いているの?」 だけど、空は何も答えません。 「ねぇ、誰のために泣いているの?」 だけど、空は何も答えません。 頬(ほほ)を流れる滴(しずく)。 それが、自分の涙なのか、空から落ちる涙なのかが分かりません。 涙の定義を知ってる? 色々あるけど、主には眼球の保護をすること。 だけど、僕は絶対それだけは受け入れきれない。 あれはそんな生体学的なことじゃないと思うんだ。 もっと、ファンタジーに溢れたものだろ思ってる。 涙の成分は、愛情、友情、根性の三大元素で出来てるんだと思う。 そして、しょっぱい理由は、目の中にはオーシャンがあるからだと思う。 あれは塩ではなく潮(しお)なのではないかと思っている。 「ありがとう」、「大好きだよ」、「嬉しいよ」。 好きな言葉を並べてみた。 当たり前に有り触れた言葉。 人は、この3つの言葉だけで、幸せになり、幸せにすることが出来る。 必要な言葉は3つだけ。 これから先、この言葉を何度聞き、言うことが出来るのだろう。 ありがとう、大好きだよ、嬉しいよ。 水が持つ魔力は恐ろしい。 美しい自分。 醜い(みにくい)自分。 汚れている自分。 水は自分を映す鏡。 水面(みなも)を指先で触れてみると、波紋(はもん)の連鎖が起こっていく。 その時には最初に映っていた自分とは他の表情を見せる。 波紋(はもん)はやがて治まり(おさまり)、元の自分が映りだす。 その時に映っている姿ははたして同じ姿なのだろうか? ふと疑問に感じる。 水鏡、それは真実を映すもののように思える。
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