第1章

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当時、私は高校1年。 『ただいまー。どうしたの?』 学校から帰ると、母が居間で本を広げて何やら調べていた。 『おかえり。何か胸にしこりあるんだよね。ちょっと、ここ触ってみて。』 母が自分の胸を触っていた。 『しこり?どこ?』 母が私の手を掴み、自分の胸に持っていく。 『あっ。本当だ。何かあるね。』 『ね。これ癌かもしれない。』 『まさか。でも、病院行ってみた方がいいかもね。』 当時は、何もわからなかった。 癌なんて、お年寄りの病気だと思っていた。 本当に乳癌だったなんて。
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