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コツコツコツ…
仕事帰りの暗がり道を、自宅の方向へまっしぐらに進む。
疲れた体には、寄り道する余裕も気力もなかった。
(豚肉があったな…あれを生姜焼きにしようか…)
夕飯も作らなくてはならない。
香奈恵はいつも、帰りのバスの中で仕事モードの自分をリセットする。
帰り道は、夕飯のメニューを考えながらケータイのサイトの掲示板で他愛もないコメントを交わすのが日課だった。
(着いた…)
明るい光のエントランスに入ると、自分の部屋のナンバーのポストに郵便物が入っていることに気づいた。
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