001

2/7
前へ
/152ページ
次へ
 ルイン・カーディスはこれでも女の子だ。  金髪碧眼。  真っ白な帽子にお人形さんに着せるような可愛らしい純白のワンピース。彫刻のように整った足を包む穢れ無きハイソックスと、節々にあしらえた真っ赤なリボン。  日に焼けることを知らない透き通った肌の色とのコントラストは人目を惹くだけのかわいさを演出してくれる。  街角で。  姿見のようなショーウィンドウを前に指を組む姿なんて、ちょっとした絵本の一ページのようでもあった。  マッチを入れたバスケットがよく似合うだろう。そういう女の子。  決して。  決して!  彼に言われた「お前なんてその通り、ただの犬娘(わんこ)だろうに」という無神経な台詞を特別意識するわけではないのだけれど、  ルイン・カーディスは強く。  改めて、  そんな事実を再確認する。  そういう意味でも、  目の前のショーウィンドウだった。 .image=382152087.jpg
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加