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トトといる時だけが私の心安らぐ時間だった。
外に出れば"浅野さんちのお嬢さん"という世間の目に…。
家では無関心なくせに人目ばかり気にしてうるさい両親…。
私を理解してくれる人はどこにもいなかった。心を開いて話せる相手はトトだけだった。
トトに話したところで何も答えてくれないのはわかっていたが、ただ聞いてもらうだけで気が楽になる。
だからトトだけが私の秘密を知っているのだ。
悩みや愚痴、恋愛相談…全部トトが聞いてくれた。
父親に叱られた時も、泣いている私の傍にずっとついていてくれたのはトトだった。
本当に…私にとって何よりもかけがえのない存在だった。
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