🏪 午前0時の虎舞竜編

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  第5話     俺は中学卒業後、父親の仕事の都合でこの街にやってきた。友達が一人もいないままに入学した高校で、同じクラスで一つ後ろの席に座っていたのが、リオだった。   「久しぶりだなぁリオー、高校卒業した以来かな?」   「そー‥かな? ここでバイトしてるって聞いたから‥‥」   リオは、茉莉夫という名前から、『マリオ』と呼ばれていた。しかし本人はその名前が気に入っていなかったらしく、友達から『マリオ』と呼ばれる度に、怪訝そうな顔をしていた。   そんな様子を見兼ねたまるっきりよそ者の俺は、茉莉夫の後ろ二文字を取って『リオ』と呼んでいいか? と提案した。すると彼女いや彼の顔は途端に華やぎ、 「外国人みたい。女の子みたい」と心底喜んで笑った。それがキッカケで俺たちは仲良くなった。   後々、聞いた話だが『マリオ』と呼ばれると、どうしてもあの赤い帽子を被った口ヒゲのオジサンのキャラクターを連想してしまうから嫌なのだ。と言うことだった。   「あれー大学は?」   「夏休み入って、すぐ帰ってきちゃった」   高校卒業後、リオは東京の大学へ行き、俺は地元の大学へ進んだ。会うのは2年半ぶりくらいだ。 それにしても綺麗になったもんだなぁ‥‥。   俺は一度、リオに告白された事がある。 高校3年の夏だった。   いやぁー惜しいことしたなぁ‥。   いや!! 俺は女が好きだ!! 女が好きったら好きだ!!   まぁね‥‥。   でも固定観念って、つまんないんだよ、うん、そう、ホント。   「あーれ?」   いないや‥‥。   「どうしたの? 鳥久くん?」   「いや‥‥何でも」     先輩が消えた‥‥。             🏪また出たっ!?  
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